とある悪夢のような長い1日のこと

アイドルとは何なのか。

そもそも[idol]という英単語には、いわゆる日本語の"アイドル"という意味は存在しない。

Wikipediaを引いてみると、

日本の芸能界における「アイドル」とは、成長過程をファンと共有し、存在そのものの魅力で活躍する人物を指す。キャラクター性を全面に打ち出し、歌・ダンス・演技・お笑いなど幅広いジャンルで活動を展開しやすいのが特色である。

とある。要は歌ダンス演技トークなどオールマイティーに活躍し人々を魅了する、容姿の良い選ばれた人間、ということだろうか。

 

前置きが長くなってしまった。今回のエントリーは他でもない、約5年間愛したグループのメンバーが、唐突にアイドルを辞めた話だ。

記録厨として、あのときの衝撃が、不安が、悲しみが、どういう経緯で起こったのかをまとめ、心情を細かく記録する備忘録に、教訓にしようと思う。ただただ見るのが苦痛な文面だと思うため、先に言っておくが読むのはまずオススメしない。一刻も早くブラウザバッグするのが懸命だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは起こった出来事を細かく整理してみる。

始まりは2018.4.12 深夜。某金曜誌が、彼の脱退をいち早く報じた。記事によれば“彼はバラエティーなどの仕事や下ネタを強要される今の会社が嫌になった、音楽性も合わず脱退・退社することにした”とのことだった。もちろん我々ファンは彼の人間性を知っていたので、この記事はガセだと判断し憤りを感じていた。彼はグループのことが大好きで、メンバーが大好きで、ファンに名称を与えてくれるほど大切にしてくれている。それが何よりの自負であり誇りだった。

ところがその2日後、4.14の夜になって、翌日グループによる記者会見が開かれる、との情報がSNSに広まった。ナタリーだったかサイゾーだったか、そんな感じのアカウントの1つが発信していた気がする。不穏な空気が一層濃くなり、オタクたちはジャニネの「イベント開催時は公式発表があるので信じないように」という注意書きを拡散して落ち着こうとしていた。

 

そして運命の2018.4.15 (日)

 

朝9時半過ぎにFC会員に一斉送信されたメールには、「本日11時よりメンバーから大切なお知らせがあります。FCページをご覧ください」という内容が書かれていた。

ここまで来て不安はピークに達していたものの、思い浮かぶ彼がそんなことを言い出すなんて信じられなくて、1ミリも想像できなくて、震えながら時間を待った。

 

 

 

 

そして、発表。メンバー揃っての緊急会見。瞳に見える涙。

 

 

 

 

コメントと会見映像を見ても何も考えられず、ただただ涙を流し嗚咽がこぼれ、悲しみも悔しさもよく分からないまま泣き続けた。1日中彼らの音楽を聴くことを避け、テレビを見るのを避け、ネットニュースを見るの避けた。

 

これからライブでのエイトレンジャーは?あれほど続編が望まれていた∞uppersは?ブルースハープのパートはこれからどうなるの?大事なデビュー曲の浪花いろは節の歌い出しは?大阪ロマネスクは?えげつないラップバトルは?タコマイは?元気が出るSONGは?あの“ずっといっしょ”の言葉はどうしたの?ユニット曲はこれからどうするの?なんであんなに愛したグループを置いていっちゃうの?あんなに澄んだ瞳で、グループをメンバーをファンを愛してるとずっと伝えてくれたのになぜ?結局みんなで決断したはずなのに全員涙目で未練たらたらな顔なのはなんでさ?あんなにたくさんの人から愛される温かい場所からわざわざ飛び出さなくて良くない?一人だけ活動休止や、留学という形を取ってでも残っていてほしかったのに。世界であなただけの恵まれた歌声は才能は、あのグループをどれだけ支え頼りにされていたか知らないの?あなたの歌が言葉が眼差しが生き様が大好きな人、こんなにたくさんいること知らないの?

悔しい嫌だ納得できない

 

死ぬほど色んなこと考えてぶつけようのない疑問が消えることなく増え続けて、疲れて、一度彼らから気持ちを遠ざけた。

 

 

発表から5,6時間ほどすると落ち着いてきて、会見のみんなの様子やコメントを冷静に見ることができた。メンバー全員で全力で止めたこと。それでも彼の決意が揺るがなかったこと。その芯の強さや男気に、頷くことしかできなかったこと。みんな『いい大人』になってしまったから、自分のわがままで彼の夢を潰すようなことができなかったこと。大好きでその才能を一番知っているからこそ、応援してあげたいこと。

ここまでくると、怒りはおさまり寂しさでいっぱいになってひたすらに虚しくなった。彼の言い分もわかる。でも彼らは、アイドルと言われる人たちは、その道でずっと生き続けていくものだと思い込んでいた。仲が良ければ、楽しそうにしていれば、全て順調に続いていくものだと信じていた。7人の思いは『ジジイになるまで関ジャニ∞でいること』ただ一つだと、勝手に錯覚していた。

 

彼は自分の行動をわがままだと言った。そしてそれを許してほしいと言った。私たちはその願いに対し、同じようにわがままを言う権利がある。私はまだまだ“子供”だから、ヤダヤダと駄々をこねて6人と共にいるアイドルの彼を見ていたいと願ってしまうのだ。彼らがファンに望んでいることもわかっている。でも、それを望まれるのと同じくらい、私もメンバーには全力で殴って泣きながらすがりついて、行くなと止めて説得してくれたら良かったのにと願ってしまうのだ。メンバーは皆仲間であり友人であり、そして何より彼と『7人の関ジャニ∞』の大ファンであったはずだから。

 

アイドルを辞めて目指したい音楽とは、何なのだろう。アイドルで居続ければ、これだけ勢いがあるのだから大好きな大切な仲間たちともっともっと大きなことができただろうし、事務所の厚い壁が背中を守ってくれただろう。海外で音楽を学び、1人だけでその実力を試したいということなら、先述したように活動休止という形を取れば良かったのではないか。某ロックグループの放牧宣言のような、そういうものの方がグループへ与える打撃は少なかったことだろう。逆にアイドルを辞める必要性はあったのか。アイドルとそうでない歌手の違いは、それほど大きいものだったのか。考えても考えてもキリがない。

 

ただどれだけ考えようが、彼はもう戻ってこないのだ。アイドルとしての彼は「来世で会おう」と言い残し突然死んでしまったのだ。来世なんていつ出会えるかわからないのに、どういう姿でいるかわからないのに。残された側は喪失感と虚無感に幾度となく苛まれるのに。本人が思うよりも大きな傷をつけて、彼は去っていった。

それでも彼を罵倒し憎めないのは、彼の自己中心的な願望の中に、人間味と芯の通った意思を感じてしまったからだろう。

 

 

「それならば、いつか出会うかもしれない来世の彼のことは、時が傷を癒やすまで探さないことにしよう。そしていつか、世界に名を轟かせ、否が応でも彼の音楽が耳に入るようになった時、私は泣きながら彼の音楽を賞賛したいと思う。もちろん、それまでに1人の面影を探して傷つくこともたくさんあると思う。そんなときは、同じように傷ついているだろうメンバーを思い、時に泣きながら酒を飲んでバカヤローと叫ぼう。」

などと、優等生なおたくでいたい私は思ったりもする。その一方で子供な私は、周りから悪意なく投げられる地雷で号泣したり、曲を聴けなかったり、彼らのことを考えないように、会見などなかったことにしようとして、まだまだ不安定なままだ。

 

“大人”になることは難しい。理不尽なことを受け入れ時に流し、わがままを言うことも叶わず、責任を持つことを強要される。彼らは良い意味で、大人らしさと子供らしさを合わせ持つ人たちだと思っていた。それが、いつのまにか“素敵なかっこいい大人”になってしまった。私もいつか、そういう“大人”になるのだろうか。なりたくないし、ならなければいけないのだろうと、先の暗い道を前にして思う。

 

これからのことは、きっとこれからの時間が決めてくれる。そう思って、今は焦らず身を委ねるようにしたい。支離滅裂な文章だが、これが今吐き出せる全てである。

 

2018.4.18